タッチパネルは、さまざまな用途で使われており、使用される環境や使われ方によって傷のつきやすさは変わります。タッチパネルを長く使うためには、傷への対策が欠かせません。ここでは、耐傷性に優れたタッチパネルの方式や保護フィルムを紹介します。
タッチパネルに傷がつきやすい原因とは
タッチパネルの傷は、日常的に予測できる範囲の傷と、不用意な取り扱いやいたずらなどでつけられた傷に分けられます。
日常的に予測できる範囲の傷
日常的な傷とは、工場などの作業現場でやむなくついた傷や、屋外の自然由来の傷です。パネル表面に傷がつくケースの一例を、以下に示しました。
- 誤ってタッチパネルが搭載された端末を落としてしまった
- 工具など硬いものがあたってしまった
- 爪でひっかいてしまった
- 紫外線の影響で表面のカバーがひび割れた
- 跳ねた石や木の枝などがあたってしまった
不用意な取り扱いやいたずらなどでつけられた傷
以下のような不用意な取り扱いやいたずらなどが原因で、タッチパネルに傷がつく場合もあります。
- 傘の先など硬いものでタッチした
- 何度も乱暴にタッチした
- いたずら目的で傷をつけられた
- きれいにしようとベンジン、シンナー、アルコールなどで表面を擦ってしまい、パネル表面が溶けた
- がさがさした布でパネル表面を拭いて傷をつけた
- 研磨剤でパネル表面を磨いてしまった
耐傷性の高いタッチパネルとは
耐傷性の高いタッチパネルをいくつか紹介します。用途に応じて適した方式をお選びください。また、保護フィルムを貼ると、既存のタッチパネルの耐傷性を高められます
強固なカバーを搭載した静電容量方式
静電容量方式は、表面に強固なカバーを搭載できます。ガラスよりもアクリルのカバーを搭載した方が、割れにくい傾向です。カバーが紫外線に強いものなら、ひび割れも防げます。
赤外線方式
赤外線方式は、筐体に設置するフレームタイプのタッチパネルです。ディスプレイ上にタッチセンサーが搭載されていないため、傷がついたとしても、タッチ性能は変わりません。
超音波表面弾性波方式
超音波表面弾性波方式は、強固なガラスを最表面に積層できるため、耐傷性に優れています。仮に傷がついたとしても、ディスプレイ全面に電極が積層している抵抗膜式よりは、タッチ性能への影響を抑えられます。
既存のタッチパネルの耐久性を高めたいときには保護フィルムを貼るとよいでしょう。保護フィルムは、タブレットやスマートフォンにぴったりのサイズのものから、好きなサイズにカットして利用するものまで、バリエーションが豊富です。
まとめ
タッチパネルは傷つきやすいものです。日常的に予測できる範囲の傷もあれば、不用意な取り扱いやいたずらなどでつけられた傷もあります。傷がつきやすい場所でタッチパネルを使う場合は、強化ガラスやアクリルでカバーされた静電容量方式や、傷の影響を受けにくい赤外線方式・超音波表面弾性波方式のタッチパネルなどがおすすめです。また、既存のタッチパネルを強化するなら、タッチパネル保護フィルムを積層するとよいでしょう。
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産業用タッチパネルメーカー3社

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- 工場FA機器
- 重機
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その中で、総合力に関する「品質」「対応力」「実績」に関する情報が明確に公式サイトに記載されているメーカーの中から業界ごとにおすすめできる特徴をもつ3社をピックアップ。
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