画面が暗いと感じる

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産業用タッチパネルの画面が暗く感じる原因には、タッチパネルの輝度が低い、透過率が低い、使用する環境が適していないなど、様々な理由があります。

表示装置と入力装置が一体化した便利な電子機器ではあるものの、画面がはっきり見えなければ正しくタッチできず、誤動作を招きかねません。適したシチュエーションのもとで使わなければ、物理的なボタンよりも使い勝手が悪く感じてしまうかもしれません。

ここでは産業用タッチパネルが暗いと感じてしまう原因について、「輝度」と「透過率」の2つにフィーチャーしてご紹介していきます。その他の原因として、液晶やバックライトの寿命、太陽光が強い場所での限定的な不具合である可能性も紹介しています。もし「何だか暗くて使いづらいな」と感じた際は、こちらの情報を参考に状況を確認してみてください。

タッチパネルが暗いと感じる原因は?

タッチパネルが暗いと感じるときは、おおむね輝度・照度のバランスがうまく取れていません。

タッチパネルの輝度が低い

まず確認していただきたいのが、産業用タッチパネルの輝度です。輝度が低いとタッチパネルが「何だか暗いな……」と感じられることがあります。輝度は、ディスプレイなどの面光源を表す単位としてcd/㎡で表します。主に人が目で感じる明るさを表す単位として使われ、輝度が低いと人の目には暗く見え、結果的に見えにくく感じてしまいます

しかし、同じ輝度なのに産業用タッチパネルが明るく見えたり、逆に暗く見えたりする場合もあります。それは輝度ではなく、照度の違いが影響していると考えられます。照度はLUX(ルクス)という単位で表し、光に照らされた面の明るさの度合いを意味しています。基本的に人は照度が高いほど明るく感じますが、照度と輝度の対比の違いによって、画面の見やすさは異なってきます

タッチパネルの透過率が低い

輝度や照度以外で、産業用タッチパネルが暗くて見えにくい要因として挙げられるのは、透過率の低さです。透過率とは光線が通り抜ける割合を示す数字で、例えば何も装着していない状態を100%として、その透過率が50%だとすると、光線が50%カットされていることを意味します。

つまり、透過率が低くなると暗くて見えにくいと感じてしまうことになります。産業用タッチパネルの方式によって多少の違いはありますが、液晶とパネル表面の間が複数層になっていると、光線の通り抜ける割合が少なくなることによって透過率が低くなり、結果的にタッチパネルが見にくいと感じてしまいます。

そのほかの原因1.液晶やバックライトが寿命を迎えた

タッチパネルセンサーに紐づいている液晶やバックライトの寿命で、画面が暗くなる場合があります。これは、タッチパネルでなくても、一般的な液晶ディスプレイにも共通する話です。液晶ディスプレイの寿命は、液晶の寿命とバックライトの寿命に左右されます。

使用する頻度や温度など外部環境によっても左右されますが、液晶ディスプレイの一般的な寿命は15,000~50,000時間程度といわれています。液晶ディスプレイを買い換えるサインとしては、画面が暗くなってきた・色が薄くなってきた・画面がチラつく・線が入るなどが挙げられます。

液晶ディスプレイを修理するとなると、高額な費用がかかることも少なくありません。メーカーの正規保証を利用できればよいですが、寿命による不具合なら保証期間が過ぎていると考えられます。液晶パネルバックライト交換サービスなど、メーカー以外の修理サービスを利用してみてもよいでしょう。

なお、LEDディスプレイのタッチパネルは、液晶ディスプレイよりも寿命が長めです。LEDディスプレイのタッチパネルは、液晶ディスプレイよりも割高です。ただし、LEDディスプレイは消費電力が低く、長期的に見ると費用対効果が高いと考えられます。

そのほかの原因2. 太陽光の強い場所で使っている

屋外や直射日光の下で使う予定であれば、「日光可読ディスプレイ」を搭載したタッチパネルを検討するとよいでしょう。周囲の照度が高いと、通常の明るさのディスプレイではほとんど読めません。屋外で使用するタッチパネル以外にも、窓際のさんさんと日が差し込む場所で使っているタッチパネルも見えにくい場合があります。日光可読ディスプレイは高照度のバックライトを備えており、明るい環境でもタッチパネルがよく見えます。

使用状況と環境にあった明るさにしよう

産業用タッチパネルは、使用する目的や設置する環境に応じて、適正な明るさで使うことによって見えやすさが異なってきます

例えば、照度が高い場所に設置するからといって輝度を適正以上に高くしたり、照度が低いからといって輝度を適正以下まで下げたりすると、目に過度な負担がかかってしまい、疲れ目の原因になりかねません。同様に、透過率が低いからといって輝度を高くし過ぎても、やはり目に強い負担がかかってしまいます。つまりは適切な輝度に調整することが重要だということです。

まとめ

産業用タッチパネルは、設置する場所の環境や、利用目的などに応じて適正な明るさで使うことが大切です。タッチパネルが見えにくいからといって、適正以上に輝度を高く設定して使っていると、目への負担が増すばかりです。照度と輝度の対比を考えることが、見やすく目に優しいタッチパネルを作る秘訣といえます。

また、単純に液晶やバックライトの寿命や、太陽光が強い場所での限定的な不具合である可能性もあります。使用期間を記録し、使えなくなる前にバックライトの交換や買い換えを検討しましょう。

産業用タッチパネルは、設置する場所の環境や、利用目的などに応じて適正な明るさで使うことが大切です。タッチパネルが見えにくいからといって、適正以上に輝度を高く設定して使っていると、目への負担が増すばかりです。

透過率が高く見やすいという観点では超音波表面弾性波方式のタッチパネルがおすすめですが、産業用タッチパネルにはそれぞれ異なる特徴を持つ方式が複数あります。

このサイトではそれぞれの方式の特徴を比較し、方式ごとの実績あるメーカーを紹介しています。自社にはどの産業用タッチパネルが合うのかチェックしてみましょう。

総合力で選ぶ
産業用タッチパネルメーカー3
製造・建設などの現場向け
ディ・エム・シー
ディ・エム・シー
引用元URL:株式会社ディ・エム・シー公式サイト(https://www.dush.co.jp/product/touchscreen/)
特徴

耐久性や環境適応性に優れ、工場や屋外使用でも安心。互換性も高く予算に合わせた開発提案が可能。

たとえば
  • 工場FA機器
  • 重機
  • 屋外標識
  • 倉庫用ロボット
  • など

アミューズメント・広告向け
グンゼ
グンゼ
引用元:グンゼ株式会社公式サイト(https://www.gunze.co.jp/denzai/)
特徴

高機能フィルムの開発が得意で、これまで難しかったITOフィルムの大型化に成功。最大65インチ対応で様々な表現が可能に。

たとえば
  • サイネージ
  • フロアガイド
  • アーケードゲーム

など

医療・食品産業向け
FCLコンポーネント
FCLコンポーネント(旧富士通コンポーネント)株式会社
引用元:公式サイト(https://www.fcl.fujitsu.com/products/touch-panels/)
特徴

抗菌・抗ウイルス機能付き機能や写像性を高めるニュークリアフィルムを開発し、衛生的で快適な操作性を実現

たとえば
  • 検査機器
  • 臨床現場
  • 美容成形

など

【選定条件】
2023年1月20日時点で「産業用 タッチパネルメーカー」でGoogle検索し100位までに公式サイトが表示されるメーカーのうち、産業用タッチパネル製造に関する情報が明確であるメーカー21社を紹介しています。
その中で、総合力に関する「品質」「対応力」「実績」に関する情報が明確に公式サイトに記載されているメーカーの中から業界ごとにおすすめできる特徴をもつ3社をピックアップ。
ディー・エム・シー:耐久性や環境対応性が高く、製造業や建設業などの過酷な環境下でも機能性を損なわない
グンゼ:最大65インチまで対応する大型パネルを生産しており、広告などの表現力が重要なシーンに適する
FCLコンポーネント:抗菌機能や写像性を高めるフィルムを開発し、衛生条件の厳しい医療や食品加工での使用向き。