誤作動を起こす

目次

タッチパネルは周囲のノイズによって誤作動を起こす恐れがあります。ノイズの原因別に対処法を紹介します。

タッチパネルが誤作動を起こす原因とは

産業用タッチパネルの誤作動は主に、ノイズの影響度合いや、使用する環境と方式のミスマッチ、タッチする圧力の弱さや範囲の狭さなどの要因によって引き起こされます。

作業上着用している手袋がノイズとなっている

作業上着用している手袋が原因となり、誤作動が起きる場合があります。多くの手袋は、ゴムや繊維など絶縁性の物質でできているためです。手袋を着用すると、手とタッチパネルの間に絶縁性の層が生じる結果、静電容量を感知しにくくなり誤作動を引き起こします。

作業上手袋が必要な現場では、抵抗膜式のように「導電性の物質以外でもタッチできる」方式がおすすめです。ただし、「使用する環境や用途」と「採用すべき方式」が合わなければ、結局使いにくいかもしれません。例えば手袋をしつつマルチタッチが求められる現場には、抵抗膜式は合いません。手袋をしつつマルチタッチするなら、超音波表面弾性波方式か多軸操作方式の赤外線方式が向いています。マルチタッチに対応できる抵抗膜方式もあります。

タッチパネルの画面が埃や油・水などで汚れている

パネル表面が埃や油・水などで汚れていても誤作動の原因となります。異物の影響を受けやすいタッチパネルには、静電容量方式・赤外線方式・超音波表面弾性波方式などが挙げられます。油や水の影響で誤作動が起きやすくなるタッチパネルは静電方式です。油や水は指などと同じく導電性の物質であるためです。赤外線方式・超音波表面弾性波方式は、光線に影響を与える埃などの異物や周囲の光、水などに弱い傾向です

タッチパネルが汚れやすい環境には、圧力を感知する抵抗膜方式が適しています。しかし、抵抗膜方式は、耐傷性に弱いため気を付けてください。抵抗膜式の表面には、使用上やわらかなフィルムが搭載されています。目の粗い布などで拭き取ると、タッチパネルの表面に傷がついてしまい、操作性に影響が出てしまいます。

使用する環境と採用すべき方式が合っていない

産業用タッチパネルには、抵抗膜・赤外線・静電容量・超音波表面弾性波・電磁誘導などの方式があり、静電容量はさらに投影型と表面型に分けられるといったように、仕様やメリット・デメリットなどによって細分化されていきます。

タッチパネルを設置する際には、それぞれの特徴を理解した上で、設置環境や目的に沿った適切な方式を採用することが重要です。環境や目的に合ってない方式のタッチパネルを導入すると、誤作動や障害が起こり、作業効率が低下してしまう要因となってしまうケースもあります。

爪先などの狭い部分でタッチしている

タッチパネルを操作する人が、必ずしも指の腹でタッチしているとは限りません。例えば爪先など接触範囲の狭い部分でタッチしたために、タッチパネルが誤作動を起こすこともあります。

例えば抵抗膜方式の仕組みは、向かい合わせに貼られた2枚の電気抵抗膜が、ペンや指の圧力がかかることで触れ合い、そこで発生する電気の電圧を計測することで位置を検出するというものです。爪や指先など接触範囲の狭い箇所でタッチしたり、かかる圧力が弱かったりした場合、圧力が足りないために正確な位置を検出することができず、タッチした位置と別の位置を検出してしまうことがあります。

静電容量方式でも手袋・水・油・埃に強いタッチパネルがある

静電容量方式は、マルチタッチができるなどの理由で使い勝手のよい方式です。しかし、静電容量方式の多くは、ノイズに弱い傾向です。汚れやすい環境で、静電容量方式の導入をためらっている人もいるのではないでしょうか。

実は、静電容量方式でもノイズに強いものがあります。例えば、手袋の材質や厚みに応じて、検出距離をコントロールできる静電容量式が登場しています。1~2mm程度の厚みなら、ゴムや布製の手袋をしていてもタッチパネルを操作可能です。また、水や油が付着するとアラームを鳴らすタッチパネルもあります。アラームのタイミングでタッチパネル表面を掃除すれば、ノイズをそれほど気にかけずに使えるでしょう。

ノイズを受けにくい抵抗膜方式の詳細と
対応メーカーはこちら

ノイズにも強い静電容量方式の詳細と
対応メーカーはこちら

まとめ

産業用タッチパネルの誤作動は主に、ノイズの影響度合いや、使用する環境と方式のミスマッチ、タッチする圧力の弱さや範囲の狭さなどの要因によって引き起こされます。

産業用タッチパネルを使いたい環境や、実際に使う人がどのような状況下で操作するのかを鑑みて、適切な方式のタッチパネルを採用することが重要です。

ノイズを受けにくいという観点では抵抗膜方式のタッチパネルがおすすめですが、産業用タッチパネルにはさまざまな方式が複数あります。静電容量方式でも、水や油、埃などに強いものや、薄手の手袋であれば操作可能なものがあります。ノイズの状況と用途に応じて、求められる操作性や特性を兼ね備えた方式を選びましょう。

このサイトではそれぞれの方式の特徴を比較し、方式ごとに実績のあるメーカーを紹介しています。自社にはどの産業用タッチパネルが合うのかチェックしてみましょう。

総合力で選ぶ
産業用タッチパネルメーカー3
製造・建設などの現場向け
ディ・エム・シー
ディ・エム・シー
引用元URL:株式会社ディ・エム・シー公式サイト(https://www.dush.co.jp/product/touchscreen/)
特徴

耐久性や環境適応性に優れ、工場や屋外使用でも安心。互換性も高く予算に合わせた開発提案が可能。

たとえば
  • 工場FA機器
  • 重機
  • 屋外標識
  • 倉庫用ロボット
  • など

アミューズメント・広告向け
グンゼ
グンゼ
引用元:グンゼ株式会社公式サイト(https://www.gunze.co.jp/denzai/)
特徴

高機能フィルムの開発が得意で、これまで難しかったITOフィルムの大型化に成功。最大65インチ対応で様々な表現が可能に。

たとえば
  • サイネージ
  • フロアガイド
  • アーケードゲーム

など

医療・食品産業向け
FCLコンポーネント
FCLコンポーネント(旧富士通コンポーネント)株式会社
引用元:公式サイト(https://www.fcl.fujitsu.com/products/touch-panels/)
特徴

抗菌・抗ウイルス機能付き機能や写像性を高めるニュークリアフィルムを開発し、衛生的で快適な操作性を実現

たとえば
  • 検査機器
  • 臨床現場
  • 美容成形

など

【選定条件】
2023年1月20日時点で「産業用 タッチパネルメーカー」でGoogle検索し100位までに公式サイトが表示されるメーカーのうち、産業用タッチパネル製造に関する情報が明確であるメーカー21社を紹介しています。
その中で、総合力に関する「品質」「対応力」「実績」に関する情報が明確に公式サイトに記載されているメーカーの中から業界ごとにおすすめできる特徴をもつ3社をピックアップ。
ディー・エム・シー:耐久性や環境対応性が高く、製造業や建設業などの過酷な環境下でも機能性を損なわない
グンゼ:最大65インチまで対応する大型パネルを生産しており、広告などの表現力が重要なシーンに適する
FCLコンポーネント:抗菌機能や写像性を高めるフィルムを開発し、衛生条件の厳しい医療や食品加工での使用向き。