ここではタッチパネルを見えにくくするトラブルの事例をご紹介します。見えにくいタッチパネルの買い替えを想定している場合におすすめの、アンチグレア加工が施されたパネルも参考までにご案内します。また、既存のパネルに貼り付けられる反射防止フィルムについても紹介しているので、合わせてご覧ください。
タッチパネルの画面が見えにくい原因とは
産業用タッチパネルが引き起こすトラブルのなかでも、「見えにくい」と感じる理由には、表面に汚れや傷がある、タッチパネルの反射率が高い、外光が映りこんでしまう、タッチパネルのサイズが小さいといった要因が挙げられるでしょう。
汚れや傷がついている
タッチパネルは汚れや傷が原因で見えにくい場合があります。汚れや傷からタッチパネルを守るには、保護フィルムを貼ることをおすすめします。
特に屋外に設置したタッチパネルは砂や泥、埃などで容易に汚れや傷がついてしまいます。工場などの作業現場でも、作業者が油のついた手で触ったり、工具など硬いものを誤って当ててしまったりする恐れがあります。そして、やむを得ない理由で汚れるだけではなく、いたずらで傷をつけられることもあるかもしれません。
特に4線式(シングルタッチ)の抵抗膜式は、パネル表面のガラスまたはフィルム基板に位置を特定する配線が接続されているためご注意ください。傷の程度によっては検出エラーが起きたり、使えなくなったりする恐れがあります。
保護フィルムを選ぶポイントは以下のとおりです。
- 透過率が高い
- 自己粘着型であり、自社で付け外しできる
- 自社でタッチパネルのサイズに合わせてカットできる
- 物理的刺激・温度変化などへの耐性が強い
透過率が高いフィルムは、タッチパネルの視認性を落としません。自己粘着で自在にカットできるフィルムを選ぶと、わざわざ専門業者に依頼しなくても自社で交換が可能です。定期的にフィルムを交換して、清潔に見栄えのよいタッチパネルを保ちましょう。
なお、屋外や工事現場用などで使用されるタッチパネルは、過酷な環境に置かれているケースも多いものです。保護フィルムの耐久性が弱いとすぐに寿命がきてしまいます。耐久性の強いフィルムを選びましょう。
使用人数に対してタッチパネルのサイズが合っていない
産業用タッチパネルは、利用する目的や設置場所によって最適なサイズを選ぶ必要があります。例えば銀行のATMや駅の券売機、工業用の機械、医療機器などの操作パネルには、一般的にタブレットサイズ(8インチから13インチ)のタッチパネルが採用されています。
その一方で、商業施設やテーマパーク、公共施設などに設置されているデジタルサイネージ(広告用モニター)や、案内用の掲示板などには、32インチから65インチサイズの大型タッチパネルが採用されるケースがあります。このようにタッチパネルは利用目的や使用する環境、パネルを使う人の数など、用途に合わせて採用することで見えやすさが変わってきます。
画面が見えやすいタッチパネルを求めるなら
アンチグレア加工がされているものがおすすめ
産業用タッチパネルは、強度を保つことや汚れ対策として、パネル表面がガラス、またはガラス加工されたものが多くあります。しかし、アンチグレア加工が施されていないタッチパネルは表面に外光が映り込み、画面が見えにくくなってしまうというデメリットもあります。
パネル表面に外光が映り込まないようにする対策として、アンチグレア加工されたパネルを使用したり、アンチグレアフィルムが貼られている製品を使ったりすることが考えられます。アンチグレアのパネルは、外光の映り込みを少なくするほかに、長時間パネルを見ても目が疲れにくいというメリットもあります。ただ、加工されていないパネルと比べると発色が劣っていたり、少し白っぽく見えてしまったりするというデメリットもあります。
パネル表面に外光が映り込まないようにする対策として、アンチグレア加工されたパネルを使用したり、アンチグレアフィルムが貼られている製品を使ったりすることが考えられます。アンチグレアのパネルは、外光の映り込みを少なくするほかに、長時間パネルを見ても目が疲れにくいというメリットもあります。ただ、加工されていないパネルと比べると発色が劣っていたり、少し白っぽく見えてしまったりするというデメリットもあります。
わざわざ買い替えなくても、反射防止フィルムを貼る方法もある
反射防止フィルムを手持ちのタッチパネルに貼ると、映り込みを軽減できるので試してみるとよいでしょう。反射防止フィルムとは画面への映り込みを防ぐフィルムで、覗き見防止フィルムとも呼ばれるものです。反射防止フィルムは、入射光と反射光の波長を打ち消すことにより、太陽光や蛍光灯による映り込みや、タッチパネル製品の表面上における光の反射を抑えます。
例えば、反射防止フィルムには、フィルムの中に微粒子が配置され、表面に凹凸が形成されたものがあります。表面の凹凸が外光を散乱させ、映り込みを防ぐしくみです。
反射防止フィルムを貼るメリットは、低コストで映り込みを防止できる点です。アンチグレア加工がされているタッチパネルがよいといっても、買い換えるとなると費用面が心配です。一台だけ買い替えるならともかく、複数のタッチパネルを刷新すれば高額な費用が発生するでしょう。
まとめ
産業用タッチパネルを導入するときは、パネルを設置する環境をよく調べましょう。保護フィルムで表面を汚れや傷から守る、アンチグレアパネルを導入する、使う人数に合ったサイズを採用するなどすると、見やすく使いやすい操作環境を得られます。
外光の映り込みが少ないアンチグレアパネルは、画面が見やすく使いやすいというメリットはありますが、鮮やかな発色を代償にしてしまう面もあると覚えておきましょう。ただし、アンチグレアパネルに買い換えるとコストが懸念されます。反射防止フィルムを貼れば、低コストで写り込みを防止できる可能性があります。
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- タッチパネルの画面が暗いと感じる要因と透過性の高い製品について見る
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- タッチパネルの反応が悪い要因とその対策について見る
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産業用タッチパネルメーカー3社

耐久性や環境適応性に優れ、工場や屋外使用でも安心。互換性も高く予算に合わせた開発提案が可能。
- 工場FA機器
- 重機
- 屋外標識
- 倉庫用ロボット
など

高機能フィルムの開発が得意で、これまで難しかったITOフィルムの大型化に成功。最大65インチ対応で様々な表現が可能に。
- サイネージ
- フロアガイド
- アーケードゲーム
など

抗菌・抗ウイルス機能付き機能や写像性を高めるニュークリアフィルムを開発し、衛生的で快適な操作性を実現。
- 検査機器
- 臨床現場
- 美容成形
など
2023年1月20日時点で「産業用 タッチパネルメーカー」でGoogle検索し100位までに公式サイトが表示されるメーカーのうち、産業用タッチパネル製造に関する情報が明確であるメーカー21社を紹介しています。
その中で、総合力に関する「品質」「対応力」「実績」に関する情報が明確に公式サイトに記載されているメーカーの中から業界ごとにおすすめできる特徴をもつ3社をピックアップ。
ディー・エム・シー:耐久性や環境対応性が高く、製造業や建設業などの過酷な環境下でも機能性を損なわない
グンゼ:最大65インチまで対応する大型パネルを生産しており、広告などの表現力が重要なシーンに適する
FCLコンポーネント:抗菌機能や写像性を高めるフィルムを開発し、衛生条件の厳しい医療や食品加工での使用向き。