産業用タッチパネルメーカー選びは「総合力」を見る
タッチパネルメーカーを選ぶときに、製品の仕様が素晴らしい、担当者との相性がよいといっただけで契約すると後悔する場合があります。タッチパネルメーカー選びのポイントである「総合力」について解説します。
品質
タッチパネルやモジュールの品質とは、主に操作性と特性です。操作性とは、タッチの軽さ・滑らかさ・耐ノイズ・検出精度などです。特性とは、耐久性・耐環境性 耐水性・耐傷性・デザイン性・画質・透過性などです。品質は、タッチパネルの仕様書を見ると判断できます。また、国際規格ISO9001を取得している企業も、品質マネジメントがしっかりしている可能性が高いと考えられます。
対応力
対応力とは、タッチパネルやモジュールのバリエーションと、サポート体制です。製品のバリエーションが多いメーカーは、タッチパネルの方式・サイズ・提供形態(タッチパネルかモジュールか)を柔軟に選択できます。カスタマイズやチューニングにも対応してもらえるでしょう。
サポート体制については、一貫対応してもらえるかを見ましょう。一貫対応できるメーカーは、工程・品質が安定しやすい傾向です。また、不具合が起きたとき、要望を伝えたいときにスピーディーに対応してもらえます。
実績
タッチパネル開発・製造の実績は、総合力を見る上で欠かせないポイントです。希望する方式に関する実績や、自社に関係する業界での実績があるか調べましょう。
タッチパネルは、用途によって求められる特性や起こりやすいトラブルが異なります。幅広い分野で豊富な「実績」を持つメーカーは、その用途において、どういった特性が求められ、どういったトラブルが起こりやすいかを熟知しています。だからこそ、より優れた品質のタッチパネルを開発・提供できるのです。
また、少品種大量生産と、多品種少量生産は違うので、自社のニーズに合わせ検討しましょう。例えば、お客様(エンドユーザー)のニーズに柔軟に対応したいという希望があれば、多品種少量生産に強いメーカーがおすすめです。
なぜ総合力が大事なのか
品質や対応力、実績を含めた「総合力」でタッチパネルメーカーを選ぶことで、自社が求める特性のタッチパネルが安定供給が見込めると考えられます。部材の故障など、トラブルが起きたときも早期復旧が見込めます。
「安いから」「方式に対応しているから」だけで選んでしまうと、不具合が起きた場合に余計にコストがかかるだけでなく、お客様の信用を失うことにもなりかねません。「総合力」を備えたメーカーから部材を仕入れることが、自社の商品価値を高めることにつながります。
近年重視しなければならないBCPとは
BCPとは事業継続計画(Business Continuity Plan)の頭文字を取った言葉です。 企業が、テロや災害、システム障害や不祥事といった危機的状況下に置かれた場合でも、BCPに従って行動できると事業存続の可能性が高まります。BCPでは、サプライチェーンを含めた対策が望まれます。
BCPに対する考え方は、国や地域により変わる点に注意しましょう。リスクの種類や発生確率、リスク分析の細かさは相手企業によってばらつくため、丸投げにしていると実用性の薄いBCPになってしまいます。
タッチパネルやモジュールの多くは、アジア圏で生産されています。例えばアジア全域では、従業員の離職率の高さが課題です。中国では政情の不安、フィリピンやインドネシアなどでは、インフラ起因の問題が懸念されがちです。それぞれの国の事情に納得した上で、海外のタッチパネル・モジュールを利用するか検討しましょう。
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産業用タッチパネルメーカー3社
耐久性や環境適応性に優れ、工場や屋外使用でも安心。互換性も高く予算に合わせた開発提案が可能。
- 工場FA機器
- 重機
- 屋外標識
- 倉庫用ロボット
など
高機能フィルムの開発が得意で、これまで難しかったITOフィルムの大型化に成功。最大65インチ対応で様々な表現が可能に。
- サイネージ
- フロアガイド
- アーケードゲーム
など
抗菌・抗ウイルス機能付き機能や写像性を高めるニュークリアフィルムを開発し、衛生的で快適な操作性を実現。
- 検査機器
- 臨床現場
- 美容成形
など