タッチパネルの仕様書の用語は何を表しているのか
タッチパネルに限りませんが、仕様書には専門的な用語が多いものです。ここでは、タッチパネルの仕様書に記載されがちな用語の意味を解説します。
10点入力とは
10点入力とは、マルチタッチでいくつまで識別できるかを表す用語です。仕様書に「10点」とあれば、10本の指で同時操作可能です。静電容量方式には、10点入力のものが多く見られます。
ガラス・フィルム・フィルム(GFF)とは
ガラス・フィルム・フィルム(GFF)とは、静電容量方式の構造を意味する用語です。GFFは、ガラス上にITOがパターニングされた2層のフィルムセンサーが積層された構造です。他にも、強度に優れるGG(ガラス・ガラス)、超薄型のGF(ガラス・フィルム)などがあります。
IC実装形態…COBとは
IC実装形態とは、液晶パネルにセンサーを搭載することです。COBとは、Chip On Board の頭文字で、基板の上にチップを実装するIC実装形態の総称です。他の実装形態には、コンパクトな端末に向くCOG (Chip On Glass)などがあります。
全光透過率とは
全光透過率とは、フィルムを通過後の光が通過前に対して何%であるかを示す数値です。タッチパネルの透過率は、フィルム材・ガラス材・光学フィルムの透過率の組合せによって決まります。通常のガラスは、全光線透過率が90%程度です。そのため、タッチパネルの全光線透過率が90%以上であれば、明るく見やすいといえるでしょう。
ヘイズ値とは
全反射光に対する拡散光の割合が、ヘイズ値です。ヘイズ値が高いタッチパネルほど、画面が曇ってぼやけたように見えます。理論上、透明なガラスであればヘイズ値は0%となります。
位置精度とは
位置精度とは、タッチした部分が狙い通りに検出されるかを示す指標です。数値が小さいほど位置ずれを防いで快適に操作できます。市販のタッチパネルの位置精度は1~2mm程度です。
湿球温度とは
湿球温度とは湿球温度計で測ったときの温度で、タッチパネルの特性というよりも、気候に関係する用語です。湿球温度計は気化熱が影響するため、一般的な温度計の測定値よりも低い値を示します。
FPC位置とは
FPC(フレキシブルプリント回路)位置とは、FPC配線を接続する位置を示したものです。FPC配線とは、タッチパネルとコントローラーを接続するものです。FPC配線の接続位置が分かると、開発品への接続しやすさを予想できます。
チェックすべき項目は?
仕様書で、特に見落とせない項目を紹介します。
用途について
マルチタッチしたければ10点入力以上のものがおすすめです。持ち運びたいなどコンパクトさにこだわるなら、GFやGGFなどの構造面も重視しましょう。
見やすさについて
見やすさは全光線透過率とヘイズに現れます。また、操作に支障が出ないように見やすいサイズのタッチパネルを選びましょう。
使用環境
湿球温度や温度、相対湿度(RH)がポイントとなります。使用・保管できる温湿度領域が広いほど、屋外や工場など過酷な環境での使用に適しています。
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産業用タッチパネルメーカー3社

耐久性や環境適応性に優れ、工場や屋外使用でも安心。互換性も高く予算に合わせた開発提案が可能。
- 工場FA機器
- 重機
- 屋外標識
- 倉庫用ロボット
など

高機能フィルムの開発が得意で、これまで難しかったITOフィルムの大型化に成功。最大65インチ対応で様々な表現が可能に。
- サイネージ
- フロアガイド
- アーケードゲーム
など

抗菌・抗ウイルス機能付き機能や写像性を高めるニュークリアフィルムを開発し、衛生的で快適な操作性を実現。
- 検査機器
- 臨床現場
- 美容成形
など
2023年1月20日時点で「産業用 タッチパネルメーカー」でGoogle検索し100位までに公式サイトが表示されるメーカーのうち、産業用タッチパネル製造に関する情報が明確であるメーカー21社を紹介しています。
その中で、総合力に関する「品質」「対応力」「実績」に関する情報が明確に公式サイトに記載されているメーカーの中から業界ごとにおすすめできる特徴をもつ3社をピックアップ。
ディー・エム・シー:耐久性や環境対応性が高く、製造業や建設業などの過酷な環境下でも機能性を損なわない
グンゼ:最大65インチまで対応する大型パネルを生産しており、広告などの表現力が重要なシーンに適する
FCLコンポーネント:抗菌機能や写像性を高めるフィルムを開発し、衛生条件の厳しい医療や食品加工での使用向き。