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台湾・中国のタッチパネルメーカーについて

目次

高度な技術にも対応、低コストが魅力の中国・台湾メーカー

東南アジアや中国・台湾は、近年さまざまな国の企業が生産・製造拠点を展開しており、「世界の工場」とも呼ばれています。中国や台湾を本拠地とするメーカーも増えており、タッチパネル業界においても同じ状況にあります。

ことに最近は台湾メーカーのタッチパネル業界への進出が著しく、展示会等でも台湾企業の名前を聞いたり見たりする機会が増えているのではないでしょうか。

かつては「安かろう悪かろう」というイメージが強かった中国・台湾メーカー。しかし近年はさまざまな企業を誘致したことにより、電子機器をはじめ、高度な技術が必要な製品にも対応できるメーカーが増えています。

中国や台湾メーカーの部品を輸入するメリットは、なんといってもコストの安さにあります。人件費の安さ、地価や材料費などの安さなど、コストダウンにつながる要素が多くあります。さらに、日本との距離も近いことから、輸送コストも安く済むというわけです。

一方で、懸念点がいくつかあることも事実です。

中国・台湾など、海外で生産・輸入する場合の問題点

問題点としては、以下が挙げられます。

安定した品質担保が難しい

近年、中国・台湾をはじめとするアジア各国のメーカーでは、生産設備も充実し、技術力も上がってきています。しかし、メーカーによってはまだ低品質なメーカーも存在しています。
部品として輸入し、自社で製品化したタッチパネル部分がすぐに故障する、動作がおかしいなど、顧客からのクレームやトラブルを経験している日本のメーカーも少なくないでしょう。そうなると、安く取引していても元も子もありません。輸入する際は、安くても品質の良いメーカーを見極めることが重要になります。

コミュニケーション・信頼関係を築くのが難しい

文化の違いはもちろんですが、ビジネスとしての習慣や、関税や移転価格をはじめとする税制など、国によって異なります。また、両国の担当者がコミュニケーションをとって、齟齬のないように進める必要がありますが、信頼関係を築くためには、時間と労力がかかります。

コストと時間、責任問題

時間と労力がかるのは、信頼関係を築くことだけではありません。 例えば、現地で製造した部品を輸入して日本で製品化して顧客に売った後で、故障や不良品のトラブルが判明した場合、国内に部品などの在庫がない場合は、現地に修理を依頼するか、現地から部品を調達して修理をする必要が出てきます。 その際、当然、その期間はお客様に迷惑をかけることになりますし、そもそも責任所在がどこになるのかも明確にしなければならず、修理や部品調達に応じてもらえるかもわかりません。
もし、応じてもらえるとしても、やりとりや輸送に時間がかかりますし、輸送費をはじめ、コストも労力もかかります。 最初から作り直す必要が出てきたり、取引先を変える事態になると、結果的に日本国内で部品を調達するよりも、コストや時間がかかってしまうケースがあるのです。

米中対立、台湾有事の懸念やゼロコロナ政策の影響も

2022年12月2日付の日本経済新聞(※)によると、日本経済新聞が主要製造業100社に行った調査によると、約半数の企業が今後中国比率を下げると回答。代替先として9割が日本を挙げたとのことです。この背景には、近年の米中対立の激化、記憶に新しいゼロコロナ政策、懸念される台湾有事などがあるとみられています。供給網の機能不全を避け、継続的な部品調達を行うためにも、国内に目を向けた対策を急ぐ企業が増えているようです。

参照元:日本経済新聞公式サイト「〈分断・供給網〉中国調達「下げる」5割 製造業100社調査 台湾有事懸念、代替先は9割日本」
https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=2&ng=DGKKZO66477840S2A201C2MM8000&scode=6141&ba=1

まとめ

決して海外メーカーや中国・台湾メーカーを選ばないほうが良いと言っているわけではありません。
タッチパネルメーカーは「安い」というからだけでなく、あくまでも「品質」「サポート、不具合時の対応」「実績」など、やはり「総合力」で選ぶことがポイントだと言えます。

総合力で選ぶ
産業用タッチパネルメーカー3
製造・建設などの現場向け
ディ・エム・シー
ディ・エム・シー
引用元URL:株式会社ディ・エム・シー公式サイト(https://www.dush.co.jp/product/touchscreen/)
特徴

耐久性や環境適応性に優れ、工場や屋外使用でも安心。互換性も高く予算に合わせた開発提案が可能。

たとえば
  • 工場FA機器
  • 重機
  • 屋外標識
  • 倉庫用ロボット
  • など

アミューズメント・広告向け
グンゼ
グンゼ
引用元:グンゼ株式会社公式サイト(https://www.gunze.co.jp/denzai/)
特徴

高機能フィルムの開発が得意で、これまで難しかったITOフィルムの大型化に成功。最大65インチ対応で様々な表現が可能に。

たとえば
  • サイネージ
  • フロアガイド
  • アーケードゲーム

など

医療・食品産業向け
FCLコンポーネント
FCLコンポーネント(旧富士通コンポーネント)株式会社
引用元:公式サイト(https://www.fcl.fujitsu.com/products/touch-panels/)
特徴

抗菌・抗ウイルス機能付き機能や写像性を高めるニュークリアフィルムを開発し、衛生的で快適な操作性を実現

たとえば
  • 検査機器
  • 臨床現場
  • 美容成形

など

【選定条件】
2023年1月20日時点で「産業用 タッチパネルメーカー」でGoogle検索し100位までに公式サイトが表示されるメーカーのうち、産業用タッチパネル製造に関する情報が明確であるメーカー21社を紹介しています。
その中で、総合力に関する「品質」「対応力」「実績」に関する情報が明確に公式サイトに記載されているメーカーの中から業界ごとにおすすめできる特徴をもつ3社をピックアップ。
ディー・エム・シー:耐久性や環境対応性が高く、製造業や建設業などの過酷な環境下でも機能性を損なわない
グンゼ:最大65インチまで対応する大型パネルを生産しており、広告などの表現力が重要なシーンに適する
FCLコンポーネント:抗菌機能や写像性を高めるフィルムを開発し、衛生条件の厳しい医療や食品加工での使用向き。