ITO膜とは?

目次

ここでは、タッチパネルディスプレイに使用されるITO膜について紹介しています。特徴やメリットだけでなく今後の課題などもまとめているので、工場の加工機械における操作表示機製造を検討している人は、ぜひチェックしてみてください。

ITO膜とは

ITO膜とは、「酸化インジウムスズ」と呼ばれる無機混合物からなる透明な膜です。粉末状態のITOは黄色や灰色ですが可視光領域における透過率が高いので、薄い膜状にするとほぼ無色透明になります。その特性を生かし、透明電極としてさまざまな製品に用いられています。

そんなITO膜のメリットは、何といっても加工のしやすさでしょう。ITO膜は仕上がりの透明度、電気抵抗、耐久性、曲げ性、平坦度などをお客様の要望に合わせて細かく設定できる素材です。透明でありながら電気を通すだけでなく用途に合わせて性能のバランスを変更できるため、応用の可能性は無限に広がっています。

とはいえ、ITOは資源枯渇のリスクを抱えており、ITO膜の優れた性能を実現できる代替透明導電膜の研究・開発が今後の課題です。

透明導電膜とは

透明導電膜とは、ITO膜のように導電性と可視光を透過する性能を有する素材でできた薄膜を指します。使用されている素材はITOの他に、銀ナノワイヤ、ポリエチレンジオキシチオフェン、カーボンナノチューブなどが挙げられるでしょう。

もちろん、素材ごとに細かい特性が異なります。例えば、銀ナノワイヤは屈曲性が非常に高く、折り畳み式の製品を製造する際に役立つでしょう。また、ポリエチレンジオキシチオフェンは安定性や耐熱性が高く、タッチパネルにも広く使われています。

ITO膜の使用例

ITO膜は、スマートフォンの液晶ディスプレイ、タッチパネル、有機EL、帯電防止剤などで広く使用されています。透明度や操作性が高いため、タッチパネルディスプレイに最適です。反射防止膜や防水膜なども付加すれば、より高い性能を実現できるでしょう。

産業用タッチパネルメーカーの
一覧を見てみる

総合力で選ぶ
産業用タッチパネルメーカー3
製造・建設などの現場向け
ディ・エム・シー
ディ・エム・シー
引用元URL:株式会社ディ・エム・シー公式サイト(https://www.dush.co.jp/product/touchscreen/)
特徴

耐久性や環境適応性に優れ、工場や屋外使用でも安心。互換性も高く予算に合わせた開発提案が可能。

たとえば
  • 工場FA機器
  • 重機
  • 屋外標識
  • 倉庫用ロボット
  • など

アミューズメント・広告向け
グンゼ
グンゼ
引用元:グンゼ株式会社公式サイト(https://www.gunze.co.jp/denzai/)
特徴

高機能フィルムの開発が得意で、これまで難しかったITOフィルムの大型化に成功。最大65インチ対応で様々な表現が可能に。

たとえば
  • サイネージ
  • フロアガイド
  • アーケードゲーム

など

医療・食品産業向け
FCLコンポーネント
FCLコンポーネント(旧富士通コンポーネント)株式会社
引用元:公式サイト(https://www.fcl.fujitsu.com/products/touch-panels/)
特徴

抗菌・抗ウイルス機能付き機能や写像性を高めるニュークリアフィルムを開発し、衛生的で快適な操作性を実現

たとえば
  • 検査機器
  • 臨床現場
  • 美容成形

など

【選定条件】
2023年1月20日時点で「産業用 タッチパネルメーカー」でGoogle検索し100位までに公式サイトが表示されるメーカーのうち、産業用タッチパネル製造に関する情報が明確であるメーカー21社を紹介しています。
その中で、総合力に関する「品質」「対応力」「実績」に関する情報が明確に公式サイトに記載されているメーカーの中から業界ごとにおすすめできる特徴をもつ3社をピックアップ。
ディー・エム・シー:耐久性や環境対応性が高く、製造業や建設業などの過酷な環境下でも機能性を損なわない
グンゼ:最大65インチまで対応する大型パネルを生産しており、広告などの表現力が重要なシーンに適する
FCLコンポーネント:抗菌機能や写像性を高めるフィルムを開発し、衛生条件の厳しい医療や食品加工での使用向き。