ここでは、産業用タッチパネルの仕入れを初めて行う担当者や、仕入先を探している企業、仕入先のリプレイスを考えている担当者に向けたコンテンツです。
タッチパネル製品自体のスペック等の見方、用語の解説や、これからの時代に産業用タッチパネルメーカーを選ぶ際に注目したいポイントとその理由をまとめています。
仕様の見方・チェックすべき項目
タッチパネルの品質や機能を調べるには、公式サイトで閲覧できたり、ダウンロードしたりできるパンフレットが役立ちます。なかでも、サイズやスペック、特徴などが専門的に記載された仕様書は慎重に確認しておきたいポイントです。
仕様書には「10点入力」のように操作性にかかわる用語や、「全光透過率」や「ヘイズ」のように見えやすさを表す用語などが並んでいます。
ここでは、タッチパネルの仕様書に書かれている主な専門用語を解説しています。タッチパネル製品を使用する環境や用途に適した産業用タッチパネルを選ぶポイントも、参考にしてください。
タッチパネル用語、仕様の見かた
チェックすべき項目の詳細を見る
タッチパネルメーカーの選び方
国内外には、実にさまざまなタッチパネルメーカーがあります。このサイトのトップページでも解説している通り、産業用タッチパネルメーカーを選ぶ際には、「総合力」に注目するのがポイントです。
製品そのものの機能や特性、ましてや「安い」という理由だけでメーカーを選んでしまうと、不具合などのトラブルが起こったり、よけいにコストがかかることになったりと、後悔する可能性があります。
品質や対応力、信頼できる実績といった「総合力」のあるメーカーを選ぶことで、タッチパネルの品質からトラブル時の一貫対応まで、安心して取引できるでしょう。
ここでは、タッチパネルメーカーの総合力について、品質・対応力・実績に着目。なぜそれらが重要なのかを解説します。海外のメーカーと契約したり、BCP(事業継続計画)を策定したりするコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
産業用タッチパネルに重要な品質管理とは
高品質な産業用タッチパネルの製造を継続して行うには品質管理が重要です。かつては目視で検品を行ってきましたが、検品をデジタル化することで人の目では確認できない細部までチェックできるようになりました。産業用タッチパネルを導入することには、高精度な検査を可能にするだけでなく、効率が上がるという利点もあります。品質管理は業務内容が分かれており、各工程によって業務内容が異なります。例えば、工程管理では材料や設備、労働力などの管理が主な業務で、無駄なコストを削減するのが目的です。ここでは、産業用タッチパネルに重要な品質管理について詳しくまとめました。
タッチパネルのデジタルサイネージとは
デジタル映像機器を用いて情報配信を行うメディアを指すデジタルサイネージ。工場や現場に取り入れることでスタッフの作業効率をアップさせる効果が期待できます。例えば、タッチパネル操作で必要な情報を得られれば先輩スタッフに作業を教えてもらう必要がありません。データ分析に優れた側面があるのも特徴の一つで、お客様のニーズや商品の販売情報を知ることができます。タッチパネルは多くの人に利用してもらうことで効果が高まるため、設置場所に要注意。また、従業がタッチパネルが設置された理由を認知していることも大切です。ここではタッチパネルのデジタルサイネージについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
タッチパネルフィルムの種類
フィルムの種類には、主にガラスフィルムとPETフィルムがあります。ガラスフィルムは厚くて硬いため衝撃に強いですが、厚さや硬さによってはタッチパネルの感度を下げる可能性があります。PETフィルムは薄くて柔らかいためスムーズなタッチ感を味わえますが、衝撃に弱くヒビが入りやすいです。
また、液晶保護フィルムには特別加工されたものもあります。フィルムはさまざまな種類があるため要望や用途に合わせたものを選ぶようにしましょう。
LCDとLEDパネルの違い
LCDは液晶ディスプレイのことで、電気による刺激を液晶に与えると光の屈折角度が変わる特徴があります。LEDパネルは発光ダイオードのことを指します。LCDが自発光できずバックライトを利用している一方、LEDパネルはLED自体が発光体となっています。
LCDとLEDはそれぞれ特徴があり、明るさや耐久性、画面サイズ、価格、メンテナンス性などが異なります。どちらも一長一短であるため、設置場所や用途に合わせて選ぶようにしましょう。
タッチパネルのVESA規格とは
タッチパネルのVESA規格とは、映像関連機器の標準化団体である組織が策定した規格です。液晶パネルやテレビなどの映像機器を壁掛け金具やアーム、スタンドなどに取り付ける際に使用するネジ穴の間隔について定められています。
規格としてネジ穴の縦×横の間隔サイズが決まっているため、VESA規格に対応した製品であればどれを選んでも問題なく取り付けられるでしょう。VESA規格に対応している製品には、「VESA規格対応」などの記述があります。
非接触タッチパネルのメリットとは
タッチパネルの発展型として、タッチパネルの画面へ直接に指で触れなくても、指を画面に近づけるだけで操作を行える「非接触タッチパネル」が存在します。非接触タッチパネルは画面に触れる必要がなく、衛生面を意識する人々にも使いやすい点がメリットです。また、非接触タッチパネルと類似したシステムとして「空中ディスプレイ」といったものもあり、エンターテインメント的な要素と融合させて様々な活用法が実践されています。
タッチパネルのメリットとは
タッチパネルには様々なメリットがあり、ソフトウェアを設定するだけでデザインを変更できたり、写真や映像といった視覚的な情報を文字情報と併用したりと、活用次第で色々な効果を発揮させて利便性を向上させられることが特徴です。反面、タッチパネルにはコスト面のデメリットや視覚障害者にとって使いづらいといったデメリットもあり、メリットとデメリットの両方を把握した上でバランスの良い使い方を検討することが大切です。
タッチパネルのマルチタッチとは
タッチパネルの中には、スマホのように指1本だけで操作するのでなく、複数の指を同時に使ったり、同時に複数の場所を押したりして操作するタイプのものもあります。このような操作方式を「マルチタッチ」と呼び、画面を拡大・縮小したり、スムーズに画面を切り換えたりとマルチタッチを活用することで色々な操作を簡単に実現することが可能です。マルチタッチ対応タッチパネルの特徴や、一般的なマルチタッチの操作法をまとめました。
タッチパネルのインセル/オンセルとは?
タッチパネルは、外付け型のタッチパネルと内蔵型タッチパネルがあり、さらに内蔵型タッチパネルはその構造によって「インセル型」と「オンセル型」に大別されます。
インセル型タッチパネルは外付け型のタッチパネルよりも明るいディスプレイを再現することができてスマートフォンなどに採用される反面、構造が精密で製造工程も複雑化する点が特徴です。オンセル型は外付け型とインセル型の中間的性質を有する構造になっています。
FPDとは?
FPD(フラットパネルディスプレイ)はブラウン管を使わない、平面的かつ薄型の映像表示装置の総称です。液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどのディスプレイは全てFPDの一種であり、ブラウン管を必要としないFPDはタッチパネルの製造においても幅広く活用されています。
FPDの特徴や、FPDの中でも液晶ディスプレイと有機ELディスプレイについて、それぞれの仕組みや製造工程を解説しています。
OLEDとは?有機ELとの違いはある?
有機ELディスプレイは有機EL素材を活用したFPDの1種であり、日本国内では「有機EL」の名称で呼ばれていますが、英語圏では「OLED」として呼ばれていることがポイントです。そのため有機ELディスプレイとOLEDは製品として同じものになります。
有機ELディスプレイでは、液晶ディスプレイのようにバックライト構造を必要とせず、電圧をかけると有機EL素材そのものが発光して、対応したカラーを再現することが重要です。
ITO膜とは?
酸化インジウムスズを使ったITO膜は、透明度や伝導性に長けており、タッチパネル、スマートフォンやテレビの液晶ディスプレイなど幅広い製品で使用されています。その反面、素材の希少性が高く安定供給が難しい、折り曲げや湾曲したデバイスでは利用しにくいなどの課題も存在するでしょう。
また、ITO膜は透明導電膜の一種であり、銀ナノワイヤやカーボンナノチューブなどもこれに含まれます。そのため、これらの素材をITOの代用として使うことも可能です。
メタルメッシュセンサーとは?
近年では、フラットなタイプの他にも折り畳み式や緩やかなカーブを描いたものまで、幅広い種類のタッチパネルが登場しているでしょう。多種多様なタッチパネルの中でも、大型タッチパネルは従来のITO膜だと性能が落ちてしまうなどの課題がありました。
そこで新たに開発されたのがメタルメッシュセンサーです。製造方法はメーカーごとに異なりますが、透過率や外観品位が高いといったメリットは共通しており、さまざまな製品に使用されています。
タッチパネルに用いられるカバーガラス
外的要因による衝撃を受けやすいタッチパネルには、ディスプレイを保護するためのカバーガラスが取り付けられています。カバーガラスには基板ガラスをはじめ、強化ガラスやソーダ石灰ガラスといった種類があり、それぞれ特徴やメリット、製造方法などが異なるため、産業用タッチパネルを導入する前に詳しい内容をチェックしておくと良いでしょう。また、メーカーによって対応している加工方法が異なるので、提供例を確認しておくのも重要です。
タッチパネルのボンディングとは?
ボンディングには接着や結合といった意味で、タッチパネルとディスプレイの接着をすることを指します。エアボンディングとオプティカルボンディングの2種類があり、コスト面や光の屈折率、透過率に差がでます。
エアボンディングはコスト削減に向いていますが、空気層があり破損しやすくなったり湿気が起こりやすくなったりするデメリットがあります。オプティカルボンディングは空気層を作らない接着方法で透過率が高くコントラストに美しさがでますがコストがかかるのが難点です。
フォトリソグラフィーとは?
フォトリソグラフィーとは、基板にパターンを焼き付ける技術のことで、写真の現像技術を使っていることから名づけられました。フォトリソグラフィーの微細化も進んでいるのが特徴で、今後の発展も期待されます。
光の波長に制限があったり平らな基板以外には使えなかったりするデメリットがありますが、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイの製造は、平らな基板に行うので大きな影響ないと考えられます。
タッチパネルに使用されるインターフェースの種類
インターフェース(インターフェイス)には、データ転送の仕方と接続口の違いから、大きく「パラレルインターフェース」と「シリアルインターフェース」の2種類に分けられます。
並行して伝送できるものをパラレルインターフェースといい、順番に伝送するものをシリアルインターフェースといいます。液晶ディスプレイの大きさや解像度によって向き不向きがあるので、インターフェイスの種類について知っておくことは大切です。
タッチパネルにおけるキャリブレーションとは
ディスプレイの明るさや色、タッチパネルの押下位置のズレなどを細かく設定・調整することをキャリブレーションといいます。タッチパネルなどのディスプレイは、経年とともにコンディションが変化していきますので、定期的なキャリブレーションが必要と考えておきましょう。
キャリブレーションの方法は大きく分けて2つ。ソフトウェアによる方法と、ハードウェアによる方法があります。いずれもメリット・デメリットがあるため、適切な方法を選ぶことが重要です。
タッチパネルにおけるベゼルとは
ベゼルとは、タッチパネルやディスプレイの周囲に設けられた縁・枠のことです。これに対し、ベゼルを狭くしたり、ほとんどない状態にしたりすることをベゼルレスといいます。
ベゼルはディスプレイの強度を高め、衝撃から保護する役割を果たしていますが、多くの製品でベゼルレスが広まっています。ベゼルレスにすると、ディスプレイの小型化・軽量化が可能になります。また、境界が目立たなくなるため、マルチモニター化させやすいのも強みといえます。
タッチパネルにおけるスパッタリングとは
スパッタリングとは、基板に対して材料を照射し、薄膜を形成する手法のことをいいます。チャンバー内は真空状態に保たれており、そこにガスを注入することで材料をイオン化。電圧を加えてターゲット(基板)に材料を付着させます。
スパッタリングは主に不活性ガスが使われますが、窒化物・酸化物で薄膜を形成する際には活性ガスが用いられます。さまざまな種類があり、金属から絶縁物まで、多種多様な材料を基板に付着させることが可能です。
タッチパネルで確認したい色域とは?
「色域」とは、人の目で認識できる色の範囲で、カラーイメージング機器(ディスプレイやプリンタなど)やソフトウェアで再現できる範囲を示しています。この色域には、sRGBやAdobe RGBなどの規格があります。sRGBはIEC(国際電気標準会議)にて1998年に策定された国際規格であり、Adobe RGBは1998年にアドビシステムが提唱した色域。sRGBとAdobe RGBを比較すると、Adobe RBGの方が緑方向に広い色彩を持っている点が特徴です。
タッチパネル技術とBCP(事業継続計画)
BCPとは、地震などの災害をはじめとする緊急事態が発生した際の事業継続計画です。可能な限り損害を少なくして重要業務を継続することで、早期復旧を図ることを目的としていますが、地震などの災害が多い昨今ではBCPの重要性が注目されている状況となっています。
さらに、さまざまな企業においてタッチパネルを災害時に活用するための技術が提供されています。BCPを検討する上では、このような技術についてもチェックしていくと良いでしょう。
タッチパネルにおけるUIの重要性
製品やサービスとユーザーをつなげる役割を持つUIは、タッチパネルにおいても非常に重要な要素です。例えば、いくら優れた性能を持った製品だったとしても、使いにくいUIである場合にはユーザーから選ばれない可能性があります。
この点から、「ユーザーにとって使いやすいUIを提供する」点に加えて、「ユーザーが使いたいと感じるデザインのUIを提供する」点は、タッチパネルにおけるUIを考える上でも重要なポイントといえるでしょう。
産業用タッチパネルメーカー3社

耐久性や環境適応性に優れ、工場や屋外使用でも安心。互換性も高く予算に合わせた開発提案が可能。
- 工場FA機器
- 重機
- 屋外標識
- 倉庫用ロボット
など

高機能フィルムの開発が得意で、これまで難しかったITOフィルムの大型化に成功。最大65インチ対応で様々な表現が可能に。
- サイネージ
- フロアガイド
- アーケードゲーム
など

抗菌・抗ウイルス機能付き機能や写像性を高めるニュークリアフィルムを開発し、衛生的で快適な操作性を実現。
- 検査機器
- 臨床現場
- 美容成形
など
2023年1月20日時点で「産業用 タッチパネルメーカー」でGoogle検索し100位までに公式サイトが表示されるメーカーのうち、産業用タッチパネル製造に関する情報が明確であるメーカー21社を紹介しています。
その中で、総合力に関する「品質」「対応力」「実績」に関する情報が明確に公式サイトに記載されているメーカーの中から業界ごとにおすすめできる特徴をもつ3社をピックアップ。
ディー・エム・シー:耐久性や環境対応性が高く、製造業や建設業などの過酷な環境下でも機能性を損なわない
グンゼ:最大65インチまで対応する大型パネルを生産しており、広告などの表現力が重要なシーンに適する
FCLコンポーネント:抗菌機能や写像性を高めるフィルムを開発し、衛生条件の厳しい医療や食品加工での使用向き。
- 見極めるべきは総合力!タチパネNavi
- タッチパネルにおけるUIの重要性
- タッチパネル技術とBCP(事業継続計画)
- タッチパネルで確認したい色域とは?
- タッチパネルにおけるスパッタリングとは
- タッチパネルにおけるベゼルとは?
- タッチパネルにおけるキャリブレーションとは?
- タッチパネルに使用されるインターフェースの種類
- フォトリソグラフィーとは?
- タッチパネルのボンディングとは
- タッチパネルに用いられるカバーガラス
- メタルメッシュセンサーとは?
- ITO膜とは?
- OLEDとは?有機ELとの違いはある?
- FPDとは?
- タッチパネルのインセル/オンセルとは?
- タッチパネルのマルチタッチとは
- タッチパネルのメリットをチェック
- 非接触タッチパネルのメリットとは
- LCDとLEDパネルの違い
- タッチパネルフィルムの種類
- 産業用タッチパネルに重要な品質管理とは
- タッチパネルのVESA規格とは
- タッチパネルのデジタルサイネージとは
- 仕様の見方・チェックすべき項目
- タッチパネルメーカーの選び方